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顔面骨骨折が発生するメカニズムとその効率的な予防法の解明

骨折発生メカニズムに関する研究 1

眼球の周辺部に強い衝撃が加わると、眼球の周辺の骨が骨折します。
このような骨折は「吹きぬけ骨折」と呼ばれます。
「吹きぬけ骨折」は頻度が高く、なおかつ眼球の運動を制限してものの見え方を損なうために、
治療の必要性の高い外傷のひとつです。

骨折発生メカニズムに関する研究 2

吹きぬけ骨折が起こると、左図のように眼球の周辺部の骨が損なわれます。

骨折発生メカニズムに関する研究 3

われわれは、吹きぬけ骨折がいかなる状況で生じるのか、またどのような条件下に重篤になりやすいのかについて研究しています。
例えば、どのような角度から衝撃が加わると、広い範囲に骨折が生じるのか、つまり重篤になりやすいのかについて解明してきました。眼球周辺部の3次元骨モデルを作成したうえで、様々な角度から衝撃負荷を加える力学シミュレーションを行います。

骨折発生メカニズムに関する研究 4

左図中の赤で示した領域は、衝撃が加わった際に、骨の破断閾値以上の応力が発生する領域を示しています。すなわちこの領域に骨折が発生すると言えます。
衝撃の加わる角度を0度・15度・30度と変化させるにつれて赤い領域の面積は拡大します。このことは、俯角から衝撃が加わると骨折が重篤化しやすいことを示しています。
このような知識を集積することで、顔面骨骨折がどのような状況で起こりやすいのか、またどのような防具を開発すれば防ぐことができるのかを解明することができます。

本プロジェクトの成果発表(主要なもののみ抜粋)
Nagasao T, Miyamoto J, Nagasao M, Ogata H, Kaneko T, Tamaki T, Nakajima T.
The Effect of Striking Angle on the Buckling Mechanism in Blowout Fracture. Plast Reconst Surg. 2006; 117: 2373-2381.

Nagasao T, Miyamoto J, Tamaki T, Kanazaki S, Ogawa K.
Inferior meatal antrostomy impairs dynamic stability of the orbital walls Auris Nasus Larynx. 2009; 36: 431-437.

Nagasao T, Miyamoto J, Shimizu Y, Jiang H, Nakajima T.
What Happens between Pure Hydraulic and Buckling Mechanisms of Blowout Fractures? J Craniomaxillofac Surg. 2010; 38: 306-313.

Nagasao T, Miyamoto J, Jiang H, Tamaki T, Kaneko T, Nakajima T. Interaction of
Hydraulic and Buckling Mechanisms in Blowout Fractures. Ann Plast Surg. 2010; 64: 471-476.

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香川大学 形成外科 医学-工学 研究グループ

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